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コケの増やし方 —胞子でコケを増やす方法—【育て方解説】
コケは胞子でふえる植物です。では、育てているコケの胞子を使ってコケをふやしたい場合、どのようにすれば良いのでしょうか?また、コケの胞子をまいたらどれくらいの期間でコケがふえるのでしょうか?
テラリウムにコケの胞子をまいて、増やす方法について解説します。
コケはどうやってふえる?
コケのふえ方には無性生殖と有性生殖の2種類があります。
無性生殖とは?
無性生殖とは、交雑することなく増殖する方法です。遺伝情報がまったく同じクローンで増殖します。
コケは無性芽という器官をつくり、無性生殖を積極的に行います。上の写真は無性芽をつけたエゾチョウチンゴケ。葉の上についた、つんつんしているものが無性芽。
以前の記事で紹介した「株分け」や「茎ふせ」も、遺伝的に同じ個体をふやす方法ですね。
有性生殖とは?
別々の個体が交雑して増殖する方法です。多くのコケの場合、雄株でつくられた精子と雌株の卵子が受精して、胞子ができます(雌雄同株の種類もある)。
今回の「胞子でふやす方法」は、有性生殖です。
コケの胞子はいつできる?
胞子ができる時期はコケの種類によって様々。雨の多い季節に胞子をまく種類が多いため、春と秋にできる種類が多いです。
胞子が発芽してコケがふえるまでのサイクル
コケの胞子は発芽すると、まず原糸体(げんしたい)という状態になります。原糸体は糸状の藻のような感じ。原糸体がある程度成長すると、茎葉体(けいようたい)が芽吹いてきます。
私たちがコケと認識している部分は「茎葉体」の部分です。
胞子でコケをふやす手順
1.胞子体の生えたコケを用意する
2.栽培容器を準備する
ガラス容器に苔テラリウム用SOILを入れ水で湿らせます。
3.胞子を取り出す
胞子体の先端をハサミでカットし、粉状の胞子を取り出します。
粉状に見えるのがコケの胞子です。コケの胞子は20μm程度と非常に細かい。
4.胞子をまく
湿らせたSOILに直接胞子をまきます。
5.管理方法
明るい室内に置き、フタを閉めた状態で育てます。SOILが乾かないようときどき霧吹きをかけましょう。基本の管理方法は通常の苔テラリウムと同じです。
どれくらいで生えてくる?
うまくいくと、20日間程度でコケの原糸体がでてきます。そこから茎葉体が出てくるには更に数か月間。茎葉体がでるまでの期間はコケの種類によって異なるようです。
◆詳しい手順と胞子からコケが生えてくる様子は、動画を参考にしてください
胞子でコケをふやす方法まとめ
○胞子ができるのは春と秋が多い(コケの種類による)
○湿らせたSOILに胞子をまき、蓋をして乾かさないように育てる
○胞子からコケがしっかりした大きさになるには数か月から1年程度かかる
コケの胞子を使ってコケを増やすことは可能ですが、かなり時間がかかります。
より効率的にふやしたい場合は「まき苔」や「茎伏せ」など、無性的な増やし方の方がおすすめです。
胞子から原糸体ができ、茎葉体が芽吹いてくる様子は面白いので、自由研究的なアプローチとして試してみるのが良いでしょう。
●他のコケの増やし方については、こちらの記事をご覧ください。
苔テラリウムの育て方疑問・質問はこちらを参考にしてください。