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苔(コケ)の香りってどんな匂い??ジャゴケの香りを抽出してみました

苔(コケ)の香りってどんな香りでしょう? 森の香り? 草っぽい香り? そもそも香りなんてあるの? そんなコケの香りについて、蒸留器を使った抽出実験の様子と共に解説します。

 

苔の香りってどんな香り??

無臭のものもあれば、松茸と同じ香り成分(マツタケオール)をもつジャゴケ、梅ガムに似た香りがするフタバネゼニゴケ、ウオッシュチーズのような香りのカビゴケなど様々。

蘚類よりも、苔類(特に葉状苔類)に香りを持つものが多いようです。苔類は体内に糖分を蓄えるものが多いので、害虫から身を守るために、香りを発達させたのではないかということらしい。

細胞内に香り成分があるので、そのままではあまり匂いがしません。指で強くこすって香りを嗅いでみましょう。

 

ジャゴケの香りを比較してみよう!

今回香りを抽出したのはジャゴケ。このブログの中でもたびたび登場していますが、マツタケと同じ香り成分(マツタケオール)を持つ種類のコケです。

現在ジャゴケは、4タイプ(オオジャゴケ・マツタケジャゴケ・ウラベニジャゴケ・タカオジャゴケ)に分類されているのですが、関東で一番多く自生している【オオジャゴケ】とマツタケオールを多く含んでいる【マツタケジャゴケ】の2種類を比較してみました。

フレッシュな状態で嗅ぐと、オオジャゴケはマツタケというより、爽やかなハーブのような香りがして、残り香的にキノコ臭がします。マツタケジャゴケは初めから強いキノコ臭がして、永谷園のマツタケのお吸い物を思わせる香りがします。

 

アランビック蒸留器

抽出に使ったのは、アランビックという蒸留器。インテリアとしても、スゴイカッコよくありません?窯で煮て、蒸気と一緒に揮発した植物の香りを抽出します。

ジャゴケの香りを抽出するためだけに購入しました。

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苔の香り抽出してみました

まずは、ジャゴケを水洗いして、余分なゴミや、土を取り除きます(写真はマツタケジャゴケ)
今回の蒸留器では20g必要。

 

蒸留工程①

ミネラルウォーター350ccを窯の中へ入れます。

 

抽出工程②

水の入った窯に、ジャゴケを入れます。

 

抽出工程③

ここから蒸留されたエッセンシャルウオーターが出てきます。

窯で温められたジャゴケの香り入り蒸気がコイル状の管の中で冷やされて、液体に変わる仕組み。

 

抽出工程④

セットアップが完了したら、アルコールランプで窯を温めます。

冷却タンクが小さいので、すぐに中の水が温まってしまいます。
水を足して、中の水が冷たい状態を保ちましょう。

窯の中が100℃になり、沸騰するとすぐに蒸留された液体が出てきます。
こぽっ、こぽっと、たまに出てくる感じです。

一回の蒸留で140ccのエッセンシャルウオーターをとることができます。
窯の中が焦げないように、この辺りで止めておくのがポイントのようです。

 

抽出完成ジャゴケのエッセンシャルウオーター

こちらが抽出したもの。
透明というよりは、若干白濁しています。

オオジャゴケ・マツタケジャゴケ共に抽出し、それぞれにフレッシュなときとはまた違った印象の香りです。

●オオジャゴケ:海藻的な香りと、森の中の香りが混ざった感じ。

●マツタケジャゴケは、若干の土臭さと、マツタケの香りが混ざった感じ。

期待していたマツタケの香りは、思ったほど抽出されませんでした…

 

まとめ

蒸留器をつかって、ジャゴケの香りを抽出することはできましたが、フレッシュな状態と全く同じ香りというわけにはいかないようです。今後、他のコケではどのような香りが抽出できるのか試してみたいです。

と、普通はここまで凝ったことをする必要はありませんので、野外に出かけたら、コケの香りにも注目してみてください。

 

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