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苔テラリウムのカビ予防と対策【予防編】

カビ

苔テラリウムを育てていて心配なのが、カビのこと。

密閉された容器の中で、カビは生えないの?カビが生えちゃったけどどうしよう…という悩みは、栽培相談でも多く寄せられます。

そこで今回は、苔テラリウムのカビ予防と、カビが出てしまったときの対策を、【予防編】【対策編】に分けて、まとめてみたいと思います。

まず大事なのは、カビが出ないように管理すること。【予防編】から行ってみましょう!

予防その1:綺麗に掃除してコケを植えよう!

掃除

最近は、自分で苔テラリウムを作る方も多いと思います。

使用するコケは、適切に処理してから使用しないと、カビの原因となってしまいます。

コケの裏側を見ると、土や枯葉・枯れ枝などのゴミが多く付いていることがあります。これらのゴミはカビの原因となりますので、綺麗に取り除いてください。

水洗い

土が多く付着している場合は、水洗いしても良いでしょう。茶色く傷んだコケも取り除いておきます。

特に自然の中で採取したコケは、ゴミが多く付いており、コケの中に小さな虫が住んでいることもあります。この虫もカビの原因となりますので、注意しましょう。

コケは自然下で採ってくるよりも、テラリウム用に販売させているものを使用する方が安心して作製できますよ。

 

予防その2:レイアウトに使用する素材に注意しよう

流木

テラリウムのレイアウトに使う素材にも注意が必要です。流木などの天然素材は、カビが発生する原因物質になります。(自然の中でも、枯れ枝や朽木は菌類が分解しますよね)

鉱石、岩石、プラスチック製のフィギュアなどは大丈夫。流木、枝、木製のフィギュアなど、自然下でも腐って分解されるようなものは、カビの発生源になりやすいです。

※パルダリウムのように通気が確保されている大型容器であれば流木を使用できることもありますが、小さい密閉型のテラリウムでの使用は避けた方が良いでしょう。流木を扱うのは、初心者の方にはおすすめしません。

 

予防その3:カビが発生しにくい種類のコケを選ぼう

ホソウリゴケ

はっきりとしたデータはありませんが、コケの種類によってもカビの生えやすさが異なるようです(経験則)。

苔テラリウム栽培に適していない、ギンゴケ・スナゴケ・ホソウリゴケ・ハマキゴケなどの日向に生える種類は、テラリウム環境でカビが発生してしまうことが多いです。

また、ハイゴケもテラリウム環境では、白カビが発生しやすい種類です。

カビが発生しにくいコケは、ホソバオキナゴケやヒノキゴケなど。テラリウム環境に適しているものは、カビも生えにくいようです。

 

予防その4:傷んだ葉や胞子体はトリミングしよう

トリミング

トリミング

傷んだ葉や胞子体をそのままにしておくと、カビが発生する原因になります。

コケの一部が茶色くなってきたときは、茶色くなった部分を切り取って取り出しましょう(トリミング)。

特に傷みやすいのは、コケの先端です。注意深く観察してください。

 

カビ

胞子体も同じく、茶色くなって役目を終えた胞子体はピンセットで取り除きましょう。花がら摘みと同じですね。胞子体の茶色くなった部分はカビの原因となります。

 

新鮮で元気な状態のコケにはカビを寄せ付けない抗菌能力がありますが、傷んだ部分はカビがとりつきやすい状態です。茶色くなった部分をいつまでも放置しておくと、カビが発生しやすくなるので気を付けましょう。

 

予防その5:コケを丈夫に育てよう

元気な苔テラリウム

コケを丈夫で健康に育てることで、カビが付きにくくなります。

自然の中では、カビの胞子は無数に飛んでいて、コケの周りにも多くのカビの菌が存在します。それでも、通常はカビの菌に負けてしまうことはありません。コケ自身にカビを寄せ付けない抗菌性があるからです。

カビが発生してしまうのは、コケが傷んだり、環境が悪くなって弱ってしまったとき。体力が落ちているときに、人が風邪を引きやすくなるのと一緒ですね。

 

コケを健康に育てるために大事なのは、

・適切な温度で育てること

・コケに適した明るさで育てること

・適度な水やり

 

です。普段から、コケが健康でいられるような環境作りを心がけましょう。

 

予防その6:薬剤を使ってカビを抑えよう

どうしてもカビを生やしたくない!という場合は、薬剤を使って予防することもできます。

特に、一度カビが発生したことのあるコケや、テラリウム作製直後のコケはカビが発生しやすいので、薬剤の使用を検討してもよいでしょう。

うどん粉病など、カビが原因となる病気に効き目がある薬剤を選びます。(ベンレート・トップジン・ダコニールなど)

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【薬剤を使用するときの注意】

コケが乾燥しているときや、暑い時間帯に薬剤を使用すると、薬害が出やすくなります。必ず夕方か、早朝にコケが湿っている状態で使用してください。コケの種類・薬剤の種類によっては傷むことがあるので、使用する場合は少量試してから使用しましょう。

 

ヒバオイル

農薬ほど効果は高くないものの、カビ予防におすすめなのが「ヒバオイル」。ヒバやヒノキの精油成分は抗菌効果があるため、カビの発生を抑える効果が期待できます。

水500mlに1~2滴加え、よく撹拌したものを水やり代わりに使用してください。

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予防その7:生き物を使ってカビを予防しよう

増えたトビムシ

コケが生える森の中には、枯れた植物やカビなどの菌類を食べて暮らしている小さな生き物がたくさんいます。そういった生き物をテラリウムに導入することで、カビを予防することが可能です。

生き物を利用したカビ予防は生物農薬といって、科学的な農薬を使わないためのエコロジカルな方法です。

スプリングテール(トビムシ)は菌類を食べて暮らす代表的な生き物です。スプリングテールはエコ意識の高い欧米を中心にカビ対策として利用されています。

 

苔テラリウムのカビ予防、まとめ。

カビ

1.キレイに掃除したコケを使用する

2.流木など腐りやすいものを入れない

3.カビが発生しにくい種類のコケを使う

4.傷んだ葉や胞子体はこまめにトリミングする

5.コケを健康に保つ

6.予防薬剤やヒバオイルを使ってみる

7. スプリングテールを導入してみる

 

大切なのは、まずはカビを発生させないようにすること。以上の項目を参考にして、テラリウムのカビ予防をしてみてください。

 

 


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