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【第1回 苔を食べる会】ジャゴケを食べる?!

「コケって食べられるの?」「美味しいコケってあるの?」

コケ好きならば、きっと一度は考えたことがある疑問。
専門書を読んでも、「コケはまずいので食べられない」「コケを食べている動物はいない」などの記述はありますが、本当に食べられないのか??

コケを生業にしているならば、一度は本気で食べてみようと企画をしてみました。

ターゲットは「ジャゴケ」。

見た目はグロイけれど、指でこするとマツタケのような香りがする不思議なコケ。細胞の中にある油体という部分に香りがあるのです。(ちなみに、見た目のグロさから、テラリウムや盆栽で販売してもほぼ売れないコケ)

マツタケ臭ということは、炊き込みごはんやお吸い物にしたらイケるんじゃない?

というのが、この企画のきっかけ。

テレビでも取り上げられていた!素揚げにしてみる。

そんなことを考えていたら、『所さんの目がテン』というTV番組で、ジャゴケを食べる企画が放送されているではないか!

放送日の翌日、たまたま兵庫のカフェで苔イベントがあり、たまたま大量のジャゴケを所持していた自分。(←もう運命としか・・)。
カフェのオーナーに恐る恐るお願いして、ジャゴケを素揚げにしてもらいました。そしてトークイベントに参加してくれたお客様に、半ば強制試食。

・・・・・ う、うまい。かも。

本気で調理してみる!第1回「苔を食べる会」までのいきさつ

素揚げの写真をSNSにアップしたところ、多くの「えーーーー」という反応の中、

「もっと色々な調理法で調理してみたら面白いのでは?」

という声が!プロの調理人にも協力してもらい、本気でジャゴケを調理してみる会が始まったのでした。

材料ジャゴケの入手


まずは調理用のジャゴケをまとまった量手に入れねば、ということで、いつもテラリウム用の苔をお願いしている宮崎県の生産者さんに連絡。
コケを生産している生産者さんなのですが、ジャゴケは生産するほどのニーズはないため自然採取品。

食べるから、綺麗なところ送ってとオーダー。

シダなど生えている斜面にびっしりと。水気の多い斜面に生えていることが多いジャゴケ。

ジャゴケは土の上にべたっと生えているので、裏は仮根がびっしり。その仮根に土やゴミが絡みついているので、それを洗浄しなければなりません。

これがなかなか大変な作業~。

ジャゴケってどんなコケ?

こちらは鉢植え栽培のジャゴケ。植え付けて4カ月くらいのもの。

ジャゴケは、蘚苔類のなかの「苔類(タイルイ)」に属するコケ。
コケ表面の蛇のうろこ模様に見えるのが、ジャゴケ(蛇苔)たる所以です。


こ、これ食べるの・・


光に透かすとキレイかも。


キノコみたいな雌器托が伸びてきます。この部分は食べられるのかな・・。

第1回「苔を食べる会」試作と調理!

調理人があれこれ試作をしてみた結果、できあがったメニューがこちら。

ジャゴケのフルコース!

ジャゴ料理の様子を少し紹介

乾煎りしたジャゴケで作った、ジャゴパウダー。

パウダーは白玉に練りこんだり、おにぎりに振りかけたりします。


ジャゴケの白玉。白蜜で美味しくいただけました。



ジャゴふりかけと、かけたおにぎり。

はじめはおそるおそる使う、ジャゴパウダー。そのうちみんな普通に振りかけるようになっていたのが面白かった。



ジャゴ揚げは、素揚げよりも竜田揚げ風に衣をつけた方がサクサク食べやすいと判明。

香ばしくて、普通においしい。


ジャゴケのお味噌汁。
ワカメじゃないよ。ジャゴケだよ。

これは結構ジャゴケの香りが生きている感じでした。

道草からは、ホワイトリカーに漬けてみた「ジャゴケ酒」を。

ハブ酒とかマムシ酒あるんだから、ジャゴケだってイケるかなあと思って、一ヶ月半くらい漬け込んでみました。

ジャゴケ特有の香りは、これが一番抽出されていたかも。次回は氷砂糖なども入れて改良版を作製します!!


ジャゴケとキノコのペペロンチーノ。キノコとコケは相性よし!

どれもプロの料理人の手にかかれば美味しくて、コケ料理だけでおなかいっぱい。

おまけで、もうすぐ40を迎える道草おじさんに、ジャゴマフィンのサプライズ…!

苔モチーフのケーキでお祝いしてもらう人はいたかもしれないが、本物ジャゴケが入ったケーキでのお祝いは本当に世界初かもしれん(感涙)。

食後は、ジャゴ茶でスッキリ。

 

次回へひしひしと

コケ友さん達とのトークも弾んで、体の内から外からコケまみれになりました。

参加してくれた皆さん、一緒に企画してくれた皆さん、ありがとうございましたー!

今回の知見を得て、料理人もさらなるステップアップに燃えている様子…
熱で飛んでしまうジャゴケの香りを、どうやって残すかがポイントになりそうです。

 

(開催日:2017年1月22日)

 

*注意*
どんなコケでも食べられるわけではなく、有毒のものもあったり、一緒に自生している地衣類や菌類に毒がある場合もあるので、むやみに食さないようにして下さいね。

 

コケを食べる会の活動をもっと知りたいと思った方は、こちらの記事もご覧ください。

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